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放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は1日、昨年10月に放送されたフジテレビ系のバラエティー番組『ほこ×たて2時間スペシャル』内で不適切な演出があったとする問題で、「番組の制作過程には、重大な放送倫理違反があった」との意見を公表した。
同問題は、番組内の「ラジコンカー対決」で、出演していたラジコンカーの操縦者が放送後にネット上で「対決内容を偽造して編集したものが放送された」と告白。同局が調査した結果、不適切な演出と動物に対する配慮に欠けた撮影があったことが明らかになり、番組が打ち切られた。
BPOは、同番組について「制作者と出演者が協力して、一種の『虚構』ではあるが『真剣勝負』と呼びうるものを実現させ、その成果を視聴者が楽しむというのが、この番組で成立していた『二重の了解』であった。『ほこ×たて』に向けられた高い評価は、こうした制作者・出演者・視聴者の良好な関係の証であった」としつつも、「『ない対決をあったことにすること』は、バラエティーにおいて大切な『二重の了解』を破っており、いかなる解釈の幅をもってしても、本件放送の制作過程は『適正』であったとは言い難い」と指摘。
さらに、「視聴者の信頼を失墜させた点において、この番組の制作過程には、重大な放送倫理違反があったと判断する」と厳しく批判した。また、番組作りの体制にも触れ、「局の制作会社への丸投げや、その結果生じた番組の基本コンセプトについての合意形成の不在と局内チェックの実効性低下にも、この放送倫理違反をもたらした深刻な問題があったと考える」とした。
それでも、「『ほこ×たて』は確かに輝いている番組だった」と評価し、「初心に戻って、大胆かつ慎重に、新しい『誰も見たことのない番組』に挑んで欲しいと、心から願っている」と今後に期待している。