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W杯開幕から、テレビ視聴時間が激増している。一方、眼球のフィジカルは、若い頃と比べて、確実に衰えている。ということは、目をいたわらないとヤバい。当然の帰結だ。
その他の写真付き記事『廃墟の中からサッカー専門局が立ち上がるのを期待』
なので、サッカー関連以外のテレビ番組は極力視聴しないようにしている。
結果、どういうことが起こるのかというと、この半月ほど、昼の間中、眠ってばかりいる。
ふりかえってみれば、この20年ほど、4年に一度、W杯の開催期間がめぐってくる度に、必ずや心身の調子を崩すなりゆきが繰り返されている。
当然ではある。なにしろ、睡眠のリズムが狂う。そこへ持ってきて、仕事が増える。と、W杯開催期間中の丸々一ヶ月間を、ほぼ時差ボケ状態で過ごさざるを得ないからだ。
今回のW杯では、仕事は増えなかった。短い原稿が2~3本と、電話コメント取材がいくつか発生しただけで、以前のように、半日刻みで締め切りが並ぶような事態は訪れていない。
有り体に言えば、2010年の南アフリカW杯以降のこの4年の間に、サッカーに関するライターとしてのオダジマのプレゼンスは、かなり露骨に低下したということだ。
淋しいといえば淋しい話だが、仕方のないことでもある。この4年の間に、仕事の比重が、サッカーとは別のところに移ったということだ。受け容れなければならない。人はいつまでも同じ仕事を続けられるわけではない。
おかげで、W杯期間中のスケジュールがキツくなることはなくなった。が、そのせいなのか、やたらと眠るようになってしまった。
これは、かなり深刻にマズいことだ。
というのも、私の場合、昔からそうなのだが、睡眠時間が増えると、鬱の傾向が強まるからだ。
いや、「鬱」と言うほど大げさなものではない。「無気力」「不機嫌」ぐらいな態度として表現される「オヤジの反抗期」みたいなものだ。
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ポルトガルVSアメリカのライブ中継で「クリスチャーノ」と、ファーストネームで呼ばれ続けたクリスティアーノ・ロナウド。「クリスティアーノ・ロナウド」では長すぎるし、「ロナウド」は別にいるから「クリスチャーノ」なのだろうか。【写真:Getty Images】 |
で、その、不機嫌な視点で、W杯を見ているわけなのだが、ゲームについては、さしたる問題は感じない。
実況のアナウンサーが不器用でも、解説のしゃべりが趣味に合わなくても、画面の中で繰り広げられているサッカーがすべてを救ってくれる。だから、よほどのことが無い限り、私はテレビに対して怒ったりしない。
強いてあげるなら、ポルトガルVSアメリカ戦の実況を担当した、TBSの佐藤文康アナが、クリスティアーノ・ロナウドのことを「クリスチャーノ」と呼ぶのが神経にさわったことぐらいだろうか。
「おいおい、ピッチの上の選手をファーストネームで呼ぶのは失礼だぞ」
「クリロナがクリスチャーノなら、ルーニーはウェインで、ベンゼマはカリムなのか? 本田は圭佑なのか?」
しかしながら、どうやらあの呼び方は、彼のせいではない。局の上の方の誰かが「クリスチャーノ」と呼ぶように指示していたのだと思う。
なぜそれがわかったのかというと、後日、TBS制作のデイリーハイライトを見たら、別のアナウンサーも「クリスチャーノ」と呼んでいたからだ。
TBSには、昔からそういうところがある。変なところで他局とは違う独自性を出そうとするのだ。
だから、実況の画面でも「負ければ敗退 C.ロナウド背水の戦い」というテロップを試合の間中、出しっぱなしにしていたりする。
ブラジルVSチリ戦でも同様だ。TBSは、最後まで画面上の解説テロップを消さなかった。こういう押し付けがましい演出を押し通すのは、昨今では、この局だけだ。
おそらく、局の人間はこれを「サービス」ないしは、わかりやすくするための工夫だ、ぐらいに考えている。
でもたとえば、ポルトガルVSアメリカ戦を、「C.ロナウド」の視点ばかりで伝えるのは、ほかの出場選手に失礼だし、なによりアメリカのファンや選手に対して無作法すぎる。
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