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東日本大震災から丸3年が経過した。SMAPがフジテレビ「SMAP×SMAP」で続けてきた義援金告知も丸3年を迎えた。震災当時、テレビを通じて「息の長い支援が必要」と訴えた芸能人は多いけれど、番組で3年間休まず実践してきたのは彼らだけだ。
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SMAPが義援金のお願いをしているのは番組のエンディング。東日本大震災復興支援財団の振込先を記した画面に5人で並び、「復興のためにはまだまだ皆さんからの支援が必要です。引き続き支援金の受付を行っております。よろしくお願いします」と一礼する。フジによると、映像は使い回しではなく、収録で5人集まる際に必ず撮り直している。この3年間、常に最新の思いで呼び掛けてきたのだ。
同局では「メンバー5人の強い思いで始まったもので、番組全体でずっと続けています」。震災3年の節目を翌日に控えた10日の放送では、被災地を訪問した当時の映像を振り返りながら「これからも僕らSMAPは、復興を願い続けています」と、4年目の決意を語った。
当たり前のようにやっているけれど、さまざまな人の損得勘定と番組カラーが交錯するバラエティー番組ではまず実現しないことだ。タレントが本気でなければ続かないし、スタッフ、スポンサーが志を共有している一体感に、放送18年の重みを感じるのである。
何をしても斜めに見る人はいる。彼らも悩んだはずだが、木村拓哉は震災後から1年後にゲスト出演した「東日本大震災復興支援財団」の報告会で「忘れないということをひとつのモチベーションとして保ちたい。義援金の告知は絶対なくさないようにしたい」と揺るぎなかった。10日に行った主演ドラマ「宮本武蔵」(テレビ朝日、15日、16日午後9時)のPR会見でも、この3年について「同じ歳月だが、被災者の方には長い時間だと思います。今後お互いに共に前に進むにあたり、そのズレ、時差を解消できれば」。被災地を訪れて受けた衝撃と思いを、5人で持ち続けている。毎週の呼び掛けに「忘れられていない」と励まされている人も多いと思う。
91年に埼玉・西武園ゆうえんちで行われたデビューイベントを取材しているのだが、あの時の少年たちがここまで成長するとは思っていなかった。どしゃ降りのイベントで起こってしまったほろ苦いデビュー会見の様子は以前当欄で書いたので参考にしていただきたい(11年6月27日付「SMAP 20年前の“伝説のデビューイベント”は舞台裏も伝説」)。あれから23年、冠番組でこつこつと支援金を募る姿にしみじみとする。
義援金の告知は、復興宣言が出るまで、番組がある限り続けるのだと思う。音楽賞のようにトロフィーで表彰されたりはしないけれど、これも彼らの偉業のひとつだと思うのである。
【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)